障がい児の福祉【保育士サポートサイト】

障害児の福祉施策

障害児に対する福祉施策には、大きく分けると2つあります。

 

・障害者自立支援法により障害者福祉施策と一体的に行われる施策

 

・児童福祉法、母子保健法等に実施されている施策

 

(1) 障害者自立支援法によるサービス

 

障害者自立支援法の理念は、「自立と共生」です。

 

この理念のもと、生涯を通じた地域での一貫した支援の実現を目指し、
障害者自立支援法は成立したのです。

 

そして、障害者自立支援法では、利用児、利用者の状況に応じ、
必要なサービス内容が細かく規定されます。

 

たとえば、一人のヘルパーが提供する在宅サービスは、
「居宅介護(排泄・食事の介護など)」、
買物などちょっとした外出等の付き合いは、
地域生活支援事業として「移動支援」として提供されます。

 

また、原則として利用者により近い立場の市町村によりサービスは提供されます。

 

・障害福祉サービス

 

障害福祉サービスは、「介護給付」と「訓練等給付」があります。

 

介護給付とは、障害児や障害者の生活を支援するもので、
訓練等給付とは、自立や就労に向けたサービスを実施するものです。

 

障害児や障害者がサービスを利用する際には、
まず、市町村(障害児施設では都道府県)にサービス受給を申請し、
利用することができるサービス範囲を決める障害程度区分の認定を受けます。

 

そして、生活状況を勘案し、作成される個別支援計画に沿って支給が決定されます。

 

サービスを実際に利用するときは、利用契約方式で、
サービス事業主(サービスの提供者)と、
障害児の保護者、障害者本人が利用契約を結んで利用し、
サービス費用の負担は、原則1割を利用児、利用者が負担します。

 

ただし、利用者の所得などによって、自己負担の減免があります。

 

・地域生活支援事業

 

地域生活支援事業では、都道府県が、市町村や広域的な立場で、
それぞれの地域の実情に合わせ、障害児や障害者の地域生活を支えるサービスを
柔軟に実施しています。

 

具体的なサービス事業には、
障害児や障害者、家族の相談に応じる相談支援事業や、
外出時の移動を支援する移動支援事業、
日常生活用具給付事業、日中一時支援事業などがあります。

 

このように市町村は全国一律の制度である
「障害福祉サービス」と「地域生活支援事業」を実施します。

 

(2) 障害の早期発見と早期治療のための施策

 

障害児福祉の第一歩は、障害の早期発見と早期治療です。

 

この早期発見と早期治療のために、
さまざまな施策が行われています。

 

・先天性代謝異常検査

 

医療技術の発展により、早期に発見することで障害の発現を予防したり、
軽減を図ることができる疾患が増えてきました。

 

新生児にマス・スクリーニングを行い、
フェニールケトン尿症、クレチン症などの代謝異常を発見することで、
それぞれ対策が可能になり、知能障害の発現を抑えることができます。

 

検査等を希望する人には、都道府県や指定都市から、
その費用の一部が助成されます。

 

・健康診査

 

市町村により1歳6ヶ月検診、3歳児検診が行われます。

 

検診の受診率は平均85%ですが、
未受診の子どもの追跡検査も含め、
「気になる子ども」の発見のためにも健康診査は必要です。

 

障害に関しても、1歳6ヶ月、3歳に検診を行うことで、
障害を早期に発見することが可能になり、早期治療・療育に結びつけることができます。

 

障害児は、家庭での養育の影響を大きく受けます。

 

健康診査は障害を発見するというのも一つの目的ですが、
その後の家庭での療育の指導や、
子どもに障害があることを告げられ、動揺する母親に対する
支援プログラムへの役割も果たします。

 

・自立支援医療費の支給

 

自立支援医療費は、従来育成医療として支給されていたものが、
障害者自立支援法のもとで一元化されたもので、
整形外科や眼科、耳鼻咽喉科、
先天性の臓器障害・肝不全による人工透析などの医療費が、
公費により支出されます。

 

自立支援医療の給付は、
早期治療によって身体障害を予防・防止する目的を持っています。

 

ですから、比較的短期の医療により、
障害の軽減や除去が見込める身体障害児に対して支給されます。

 

費用の一割は自己負担になりますが、
大きな負担にならないよう、調整されています。

 

(3) 障害児の発達支援と在宅支援サービス

 

市町村を通じて、地域で生活している障害児の支援がされます。

 

通所型視悦による支援は、医療の提供があるかないかによって
福祉型と医療型に分かれています。

 

・児童発達支援センター・医療型児童発達支援センター

 

2010年の児童福祉法改正以前は、就学前の障害のある用事に対し、
障害児通園施設(知的障害児通園施設、肢体不自由児通園施設、難聴幼児通園施設)
として、療育や相談等のサービスが実施されていました。

 

もともと施設種別の障害に対応した専門性を重視しながらも、
どの通園施設を利用しても良いとされていましたが、
児童福祉法改正に伴い障害別の枠が外され統合化されました。

 

そして、医療が提供されるか、されないかにより、
医療型児童発達支援センター(医療が提供される)、
児童発達支援センター(医療が提供されない)の2類型に再編されています。

 

児童発達支援センターと医療型児童発達支援センターは、
どちらも利用障害児や家族に児童発達支援サービスを提供します。

 

・児童発達支援センター・医療型児童発達支援センターの機能

 

児童発達支援とは、日常生活における基本的な動作の指導や、
知識技能の附与、集団生活への適応訓練等があります。

 

医療型の医療型児童発達支援センターでは、
これらに治療が加わり、医療が提供されます。

 

児童発達支援センター・医療型児童発達支援センターは、
地域の中核的な療育支援施設として専門機能を活かしながら、
障害児通所支援給付等の申請にかかる障害児の心身の状況を勘案し、
利用するサービスの内容を定める障害児支援利用計画の作成の相談事業など、
地域の障害児やその家族への相談等も行います。

 

また、保育所等訪問支援や障害児を預かる施設への
援助や助言を行うこともあります。

 

児童発達支援センター・医療型児童発達支援センターが提供するサービスは、
身体に障害のある児童・知的障害がある児童・発達障害児を含む精神に障害のある児童の
3障害に総合的に対応することが望ましいとされています。

 

ですが、障害に応じ、専門機能に特化したサービスを提供することも
認められています。

 

・児童発達支援事業

 

地域の障害児やその家族に対する支援を行う身近な療育の場として、
児童発達支援事業が、開設されています。

 

そして、児童発達支援センターは、
地域の基幹施設として必要に応じて専門性を提供し、
児童発達支援事業を支援しています。

 

また、児童発達支援事業への参入は、NPO法人など色々な実施主体があり、
色々な支援サービスの提供が進むことが期待されています。

 

・指定医療機関

 

指定医療機関とは、サービスの実施機関として、
構成労働大臣が指定した医療機関のことです。

 

・保育所等訪問支援

 

保育所等訪問支援では、障害児が保育所などの集団生活の適応のための
専門的な支援を必要とする場合に、
保護者の申請によって障害児の指導に専門的知識を持つ訪問担当者が派遣されるものです。

 

支援は、障害者本人に提供されるだけでなく、
保育所のスタッフに対する支援方法の指導なども行われます。

 

・放課後等デイサービス

 

放課後等デイサービスは、学校通学中の障害児を
放課後や夏休み等の長期休暇中に、児童発達支援センターなどに通わせ、
生活能力の向上のための訓練等を継続的に提供するものです。

 

放課後や夏休み等の長期休暇に、訓練等を継続的に行うことによって、
障害児の自立を促進すると共に、放課後の居場所作りを推進することができます。

 

・居宅介護(ホームヘルプ)

 

居宅介護(ホームヘルプ)は、知的障害児、身体障害児のいる家庭に
ホームヘルパーが派遣され、居宅における入浴や排泄、食事の介護などのサービスが
提供されるものです。

 

・短期入所(ショートステイ)

 

短期入所(ショートステイ)は、何らかの理由で障害のある児童を家族が介護できないときに、
生活型の障害児施設等に短期間児童を預け生活させるものです。

 

・日常生活用具給付事業

 

日常生活用具給付事業は、障害児屋障害者の日常生活上の便宜を図るための用具を給付するものです。

 

この用具は、以下の3つの規定のすべてに該当する用具についてが
給付、または貸与されます。

 

たとえば、障害児の訓練用のいすやベッド、特殊マットなどが該当します。

 

 1 障害者等が安全かつ容易に使用できる実用的なもの。
 2 障害者等の自立を支援し社会参加を促進するもの。
 3 日常生活品として普及していない専門的な知識・技術を要するもの。

 

・捕装具費の支給

 

補装具費の支給では、身体障害児に対して、
必要な場合、盲人安全つえや補聴器、義肢、車いすなどの補装具費の購入費や
修理費がしきゅうされるものです。

 

・相談サービス

 

相談サービスは、障害児の支援において、重要な位置をしめるものです。

 

障害の早期発見・早期治療、子どもの将来を見通した支援などを行います。

 

相談サービスは、市町村、保健所、児童相談所、障害児施設などの
関係機関で提供され、発達障害児に特化した相談機関「発達障害者支援センター」もあります。

 

また、障害児のより専門的な相談に応じる「障害児等療育支援事業」があります。

 

・障害児等療育支援事業

 

障害児等療育支援事業は、在宅の障害児が、
身近な地域で療育指導が受けられるように支援する事業のことで、
事業の実施主体は都道府県などです。

 

指導は、外来による療育相談や指導、保育所や障害児施設の職員の療育技術の指導などがあります。

 

・障害児相談支援事業

 

市町村が指定した事業者との相談によって、
児童福祉法に基づく通所サービスの利用にかかる障害児支援利用計画が策定されます。

 

この相談を行うのが障害児相談支援事業です。

 

この際、障害者自立支援法に基づく居宅サービスの利用についても、
一体的に利用計画を策定することができます。

 

(4) 入所型施設サービス

 

以前は、障害児の入所施設は、
「重症心身障害児施設」、「肢体不自由児施設」、「肢体不自由児療護施設」、
「知的障害児施設」、「自閉症児施設」、「育児施設」、「ろうあ児施設」
というように、障害別に支援が提供されていましたが、
2010年の児童福祉法改正によって、施設の障害別の枠組みが外され、一元化されました。

 

そして、医療の提供があるかないかによって、
福祉型障害児入所施設と医療型障害児入所施設の2類型になりました。

 

入所型施設の入所支援の対象は、身体に障害のある児童、知的障害のある児童、
発達障害を含む精神に障害のある児童です。

 

各施設それぞれが、3障害に対応できることが望ましいのですが、
改正前には障害別類型となっていたことから、
障害の特性に応じた支援の提供も可能となっています。

 

入所型支援サービスの内容は、福祉型では入所障害児の保護、日常生活の指導、
知識技能の附与があります。

 

医療型の入所型支援サービスでは、所障害児の保護、日常生活の指導、
知識技能の附与にプラスして治療が提供されます。

 

児童福祉法の対象年限は18歳ですが、この18歳を過ぎても、
それぞれの障害児施設で生活している人が相当数存在することが問題になり、
2010年の児童福祉法改正によって、18歳を超えた障害者は、
原則として障害者は、障害者自立支援法による日中活動と
夜間の居住支援に分離したサービスに移行することになりました。

 

このことから、入所支援でも、個別支援計画を策定し、
18歳に達した人は地域生活への移行、
或いは障害者施設サービスへの移行など、
それぞれの支援目標を明確にし、支援が提供されます。

 

また、18歳以降も療養介護を必要とする重症心身障害児施設では、
施設自体が医療型障害児入所施設と療養介護を一体に実施し、
18歳未満の児童、18歳以上の成人に対して
一貫した支援が提供できる様になっています。